10/19(土)移情閣コンサートvol.14
尺八と箏 舞子の秋を彩る和の音色
14:00開場 14:30開演
2000円+入館料200円

二胡の音色の特徴と魅力は、極小の細い音から一気に太い大きい音まで滑らかに変化させることのできる、音色の幅にあると思う。それはさながら毛筆で書かれた墨痕の、力強い筆圧、掠れた線、勢いのあるハネ、なんでも思うままに表すことの可能な濃淡の豊かさに似ている、と自負している。

ただ、私の知る限りの楽器の中で、この点において唯一敵わない、と思う楽器が、尺八である。尺八の音色の変幻自在っぷり、一音の情報量の多さは圧倒的で、音程としてはずっと同じ音を出していたとしても、脳裏に見える音の線は一瞬ごとに形を変え、聴くものを飽きさせることがない。

今回尺八を演奏してくださるのは、神戸在住の尺八奏者、川崎貴久さん。紋付袴に銀髪のクールな出たちで、邦楽演奏家のオーソドックスなイメージを軽々と覆す。2020年には「令和2年度(第75回)文化庁芸術祭新人賞受賞」という大きな賞を受賞された、大活躍中の若き演奏家である。

箏の村上洋子さんは、うん十年前、なるをも在籍していた中国楽器の市民楽団に賛助出演されていた時に知り合った。普段はサバサバした感じで、これまた勝手に培った既成の邦楽演奏家のイメージとは違うのだが、一旦演奏に入るとものすごい集中力で、カッコいい〜!と当時からそのギャップに惚れていた。久々に演奏を聞かせていただけるのを楽しみにしている。9月の移情閣コンサートで伍芳さんの古筝を聞かれた方は、日中の箏を聴き比べる機会にもなることと思う。

ご予約は鳴尾まで!

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